大切なこと
どこの学校にもいる怖い先生は、当然のように私が通っていた中学校にもいた。悪い事をすれば真っ先に飛んで来て叱り、授業で寝ようものなら大声で怒鳴る。入学した当初、やはり皆、先生を避けた。しかし、一年生の中頃にはすっかり打ち解け、嫌う人はいなくなった。なぜか。それは、先生が学校の誰よりもまっすぐな人だったからだ。挨拶を重んじ、感謝を忘れず、ミスをしたらすぐ謝る。皆に平等に接し、何事も積極的に行う。手本のようなまっすぐな心を持つ人で、先生の行動のどれもが、私たちが大きくなるにつれ、気恥ずかしくてできなくなっていったことだ。それをはっきりと見せられ、改めてその大切さを痛感した。先生の態度が私たちの態度を変えたのだから。私も、自分の気持ちをまっすぐ伝えられる大人になりたい。誰にでも誠意と慈愛を持って接し私たちがそうであったように、一人でも多くの人に、まっすぐ生きることの大切さを伝えたいと思う。