全国の中学校から22,748作品の応募がありました!
たくさんのご応募ありがとうございました。
今までなんとなく考えてみたことがあっても、明確に文章にしたことがある人は少ないのではないでしょうか。本コンクールは、自分が将来どのような大人になりたいかを思い描いて、文章で発表するコンクールです。素直に自分の心と向き合い、文章として表現をすることで、きっと将来の自分に一歩近づくきっかけになることと思います。
あなたの夢は何ですか? あなたのなりたい大人像はなんですか?
将来、どんな大人になれたら幸せか思い描いてみて文章にまとめてください。
きっとあなたの夢を実現する一歩になると思います。
特別審査員
古市憲寿氏
たった200文字で「なりたい大人」について書く。実は非常に難しい課題だったと思います。新聞や雑誌に掲載される評論の文字数は、数千字、時には数万字にも及びます。小説も同じで、特に長編ともなれば数十万字。それくらい「何か」を伝えるのには文字数が必要だということなのでしょう。このコンクールでは、大人やプロにも中々できないことを要求しているのです(ちなみにこの段落だけで約200文字です。何も言えてないでしょう)。続きを読む…
そんな難しい課題にもかかわらず、はっとするような作文がたくさんありました。印象に残った作品には、次の二つの要素が含まれていたと思います。
(1) 冒頭部分から、印象的な言葉や比喩(たとえ)を用いて、読者の関心を惹きつけている。
(2) その上で、読者を「なるほど」と思わせるような、何らかの「発見」がある。
「比喩」も「発見」も、この世界で豊かに生きていくためには、なくてはならないものだと思います。僕たちは、ただ漫然と生きていくこともできますが、同じ出来事を経験しても、同じ景色を見ても、「比喩」や「発見」によって、世界を何倍にも楽しむことができるのです。コンクールという性質上、どうしても選ばれる作品と、選ばれなかった作品が生まれてしまいます。「こんな選考委員に選ばれたくなかった」という人もいますよね。実際、「こんな選考委員」が選ばなかった作品の中にも、素敵な文章がたくさんありました。僕の読んだほとんどの作文は、そのへんの大人が義務にかられて書く文章よりも、ずっと真摯で、聡明なものでした。「予言の自己成就」という考え方があります。根拠のない思い込みでも、信じて行動すれば夢が叶ってしまう現象のことです。もちろん、全ての夢が叶うわけはありません。だけど「夢は叶うはず」と信じ切っている人と、「夢なんて叶うわけない」とあきらめきっている人だったら、前者のほうが実際に夢を叶える可能性が高いのは事実だと思います。
書くことが好き、もしくは苦痛ではないと思った人は、どうか文章を書き続けて欲しいです。
審査員
KTCおおぞら高等学院 学院長 小林 英仁
第2回「なりたい大人」作文コンクールに全国の中学生より、22,748作品と多数の応募をいただき、ありがとうございました。
200字という限られた文字数の中に、「なりたい大人」について中学生の皆さんの想いを記すことは、大変だったのではないでしょうか。しかし、今回応募いただいた作品には、個々の想いが凝縮された非常に内容の濃いものであったと感じます。
自身が中学生だったころを、思い返しながら多くの作品を読ませていただきました。続きを読む…
あの頃の自分には、今回作品に記されているような「なりたい大人」について考えたことは無かったような気がします。作品の多くは、人の優しさや温かみを感じることのできるものが多数あり、読むことで心洗われ、ホッとすることのできる瞬間をいただきました。また、中には、今の社会の課題を的確に指摘しているものや、多様性を認める事の出来ない多くの大人に対しての問題提起があったりと、非常に鋭い指摘をいただいたものもありました。
全ての作品を読ませていただき、今回応募いただいた方が大人になる5年後・10年後を考えると、不安の多い社会ではありますが、安心感を抱くことができました。今後、様々な経験をするうえで、作品に記していただいた「なりたい大人」像が、変わっていくかもしれませんし、そのままかもしれませんが、都度、「なりたい大人」について考える事は、これからの長い人生を歩むうえで、非常に大切なことだと思います。 その時々の自身で考える「なりたい大人」に向かって、進んでいってください。再度にはなりますが、多数の応募をいただき、本当にありがとうございました。
審査員
屋久島おおぞら高等学校 校長 梶 俊之
点数をつけることは実に難しい。作文を読めば読むほど、生徒達が何を考えているのかが見えてくるからである。応募してくれた中学生は皆、この作文を機会に、真剣に「なりたい大人」を考え、「どう生きるべきか」を悩んだことと思うと、それぞれ貴重な作文である。具体的に「どんな職業に就くか」とか「どんな分野の仕事を目指すのか」を決めている生徒は少ない、まだ、そこまで考えていない生徒も多い。まだ中学生であるから、それももっともであろう。続きを読む…
一方、半数以上の生徒が、「こういう人になりたい」とか「こんな大人になりたい」と生き方を真剣に考え、作文に書いてくれている。その中には、前提として、自分の今を反省したり、今の自分を変えたいという作文がいくつもある。他にも、「子供食堂を経営する優しいおばあちゃんになりたいな」「人の幸せを願い、人の不幸を悲しむ大人」になりたい、等、人に優しい人になりたいという思いも多数あった。こういう中学生の作文を読んでいると、私自身反省しなければならないことが多々あり、心が洗われる気がする。具体的なユニークな「なりたい大人」を書いてくれた生徒もいる。葬祭業で働きたい、地域と関わり合っていく大人、言葉を大切にできる人、高精度な統計で世の役に立ちたい、等々というものである。この生徒たちは、きっと身近にその分野で働いている人たちを見たりしているのだと思う。そういう意味でやはり将来の職業につながる体験教育や見学・体験者の講演会等の場を意識的に作ることが重要だと考える。
最後に、世相を反映した作文、世界の情勢に関連する作文、環境問題に触れる作文、あるいはコロナ禍とそこで頑張ってくれている人々に思いを寄せる作文があまりにも少ない気がする。このテーマでは書きにくいのかもしれないが、何かしらそういった自分たちが生きている世の中の動きがもっと反映されてもいいのではないか、と思う。日本の子どもたちは、知識が詰め込まれる割には、生きていくうえで必要な大事な情報を与えられていないように思う。中学生とはいえ、あと数年で選挙権も持つ年齢なのである。
2020年12月13日(日)朝日新聞名古屋本社にて表彰式を開催(予定)。2020年12月下旬朝日新聞紙上、および作文コンクールホームページに掲載予定。
朝日新聞名古屋本社「なりたい大人作文コンクール」事務局
460-8488 名古屋市中区栄1-3-3 TEL:052-231-5537(平日10:00~17:30)
https://www.naritaiotona.com/
●主催:KTCおおぞら高等学院、屋久島おおぞら高等学校 ●共催:朝日新聞社
●後援:愛知県教育委員会、中央出版株式会社、株式会社DIC学園、株式会社ロボット科学教育、一般社団法人 ロボット技術検定機構、NPO法人 青少年科学技術振興会 FIRST Japan、子どもの文化・教育研究所、竹田印刷株式会社、ナビ個別指導学院、Fitオンラインゼミ
●協力:朝日学生新聞社
通信制高校サポート校「KTCおおぞら高等学院」の生徒たちの応募作品から、厳選された100作品を発表します!
通信制高校に通う生徒たち、それぞれの思い描く「なりたい大人」をご覧ください。
私たちは高校卒業をゴールと考えてはいません。
社会に出てからも、「なりたい大人」になるために、
全国の仲間たちと、「マイコーチ」と、
自然と、共に学ぶ教育。
「自分で進みたい道を決め、幸せを手にいれる」
―答えのない社会で夢を描く「生きる力」を
育む教育―
を実践しています。
なりたい大人研究所は、学校法人KTC学園屋久島おおぞら高校とKTCおおぞら高等学院が共同運営している研究所。
中高生の『なりたい大人になる』をサポートするみらい応援プロジェクトです。約8,000名の高校生を対象としたアンケート調査や全国の中高生を対象とした作文コンクールなどを企画。中高生の自己表現の場を通じて彼らの今を見つめ、SNSなどを利用し多くの大人にその想いを届けることで、「中高生と大人との架け橋になる」ことを活動テーマとしています。
また、多くの大人や保護者が登録するボランティア組織「おおぞらみらいサポーター」制度も運用。屋久島へのツアー引率やイベント企画など、みらいにはばたく子どもたちを応援しています。
※おおぞらみらいサポーター
https://ohzora-supporters.amebaownd.com/
2019年夏に開催した「なりたい大人作文コンクール」。
全国から集まった作文の中から、特に印象的な105作品を選びほぼ原文のままに掲載しています。2020年、想定外に社会が変わりゆく中、様々な不安や、未来に希望を描くことが難しい、そんなあなたにこそ、ぜひ読んでいただきたい本になりました。
「やさしい大人」「ありのままの大人」
「夢を追いかける大人」
「問う力を大事にする大人」「挑戦する大人」
今を生きる中学生の言葉は、大人へのエールでしょうか、それとも勇気をもらうビタミン剤でしょうか。
毎日を頑張るたくさんの大人のみなさんにお届けしたい一冊です。
この機会に是非お求めください。