夢中を語る
語ることのできる大人になりたい。そう思ったきっかけは、一冊の本との出会い。
登場人物たちは自身の失敗談や成功談を酒の肴にし、笑い合っていた。実に生き生きとした姿にあこがれを抱いた。本を読み終えた後、周囲の大人の会話に耳を傾けるようになった。すると、「語れる大人」と「語れない大人」がいることに気が付いた。大きな違いは夢中になることがあるかないかだ。その中でも様々な趣味を持つ大叔父との会話は実におもしろい。ビールを勝手に楽しそうに語る姿は、私がなりたい大人そのものだ。
では、私が「夢中」になれるものは何か。自問すると、読書や絵を描くこと、フルートを吹くことなどたくさん出て来た。しかし私にはまだそれらを語り、人と共有することに長けてはいない。人生の先輩方からよく学び、いずれは、酒を片手に語り合い笑い合う。そのような生き生きとした大人に私はなりたい。