温かい優しさで寄り添って
私は、小川洋子さんの作品である「猫を抱いて象と泳ぐ」の「マスター」という人のような大人になりたいと思っています。
彼は元バス運転手で、甘い物が大好きだったため、バスから降りられない体型になってしまい、使われていない回送バスで暮らしているという、一見滑稽な人物ですが、後に主人公の大きな支えとなる人なのです。マスターはいつも優しく微笑み、主人公を温かく出迎え寄り添える人で、自分で決断しなければいけない事は見守り、そうでない時はヒントを出し、そっと背中を押し、間違いはきちんと正してくれる、とても優しい人です。
相手を大切に思うからこそ側で見守り続けて、時には自分を正してくれる、そんな人が身近にいれば、きっと相手への思いやり方が分かると思います。肯定するばかりや何でもしてあげる、なんて事になれば、きっとどこか踏み外してしまうでしょう。だからこそ私は優しく寄り添う温かい人になりたいです。