あの日から
私は、小三の時の担任の先生みたいになりたい。きっかけは父の死だった。父は私が小三の時に突然亡くなった。母は暗い部屋に閉じこもっていた。姉も私も妹も、突然姿を消した「普通の暮らし」に戸惑った。家に帰っても、笑う事も、楽しいことも、学校の報告もなかった。こんな日々に疲れた私は放課後、教室で静かに泣いた。そこに担任の先生が来て、二人で話すことになった。先生は私の話を最後まで聞いてくれて、真正面から受け止めてくれた。不思議な事に私の心はスッキリした。鎖を提げられていたような心が幾分軽くなったような気がした。それから私は今日に至るまで生きる道を歩んでこられた。また、母もカウンセリングに何度も通い社会復帰した。私は「話を聞いてもらうこと」はどんな医薬品にも勝る位、素敵な薬だと思う。話を最後まで聞くことで一人でも多くの人が前を向いて生きていけるよう、私は今、心理カウンセラーを目指す。