命を救って
命を救っていただいた」ということが私の人生にはある。私は小学六年生のときに、大脳基底核の悪性脳腫瘍という病気になった。生検手術、抗がん剤、放射線治療を全脳に照射し、長い入院生活を乗り越えた。そのときに身体はもちろん、心のケアまですべての方々が私を救ってくれた。ポジティブになるように皆、笑顔で接してくれた。つらいときも、苦しいときも、特効薬は笑うことだと信じ、私も明るく笑顔で過ごすようにした。気持ちが前向きになると、周囲に感謝の気持ちが生まれる。治療が終わり、腫瘍が消えたとき、全てに感謝しかなかった。自分はたくさんの人達に救っていただき、生かされていることを知った。私は自分も他のために救いの手を差し出そうと心に決めた。悲しみや気持ちが厳しい人が、穏やかで心地良い気持ちになっていただけるように、優しい気持ちで寄り添い、私がしていただいたように、心からのあたたかい思いやりで包める大人になりたい。