秘めたる力、発掘
私がなりたいと考えている大人。それは、他者の潜在能力を見出し、引き出すことのできる人である。このように思う理由は、ある出来事が関係している。
中2の夏休みが始まる直前、担任の先生が合唱コンクールの指揮者に私を指名した。積極性もリーダーシップも皆無であった私に「何故?」。困惑した。親も「断ったら?」の一言。早速「やっぱり僕にはできません」。しかし先生は無反応。ただ私の顔をじーっと見るだけ。仕方がない。だが、するからには恥はかきたくない。夏休み中猛練習。その甲斐あって、私の指揮は大好評に終わった。周りの私への評価も180度変わった。
今にして思う。先生は私の奥深く眠る力に気づいていたのだと。
第一印象は大事。でも、それだけではない。その人の隠されている能力を引き出し、輝かせることができる人こそ、真の大人であると考える。そういう大人になるために、包容力のある温かい目で人を見ることにしよう。