なりたくない大人
大人という言葉を聞いた時、自分自身を含めて殆どの子供は自分の親を思い浮かべる。しかし、親のような大人になりたいかと聞かれたら、殆どの人はそれを否定しようとする。御多分に洩れず私も親のようになりたいかと聞かれたら否定するだろう。しかしそれは決して親の仕事に対して何かを考えているというわけではなく、ただ単に親と同じことをしたくないという思春期によくある行動の一つだろう。私は、親のことがあまり好きではない。「なりたい大人」どころか「なりたくない大人」として挙げるほどだ。それでも、こんな自分をここまで育ててくれたことには感謝しているし、尊敬もしている。私にとって親とは、「なりたい大人」ではないものの、唯一の存在であり、私が「親」というものに憧れるきっかけをつくってくれた存在でもある。私にとって「なりたくない大人」とは、子供に対してなにかを憧れるきっかけをつくってくれる「親」なのだと思う。