審査員特別賞
普通って何だろう
僕は中学生になり、学校に行けなくなった。担任の先生は無理しなくて良いよと言い、家族は普通に学校に行けと言った。普通って何だろう。学校には人気者になりたくて、人をけなして笑わせる人がいる。それで僕は笑われたこともある。僕は静かに穏やかに過ごしたい。平和で安全に過ごしたい。大人になったら、僕のように学校に行きにくい子に、「大丈夫だよ」と言える大人になりたい。行けなくても普通の中学生なんだよと言いたい。
なりたい大人作文コンクール
審査員特別賞
僕は中学生になり、学校に行けなくなった。担任の先生は無理しなくて良いよと言い、家族は普通に学校に行けと言った。普通って何だろう。学校には人気者になりたくて、人をけなして笑わせる人がいる。それで僕は笑われたこともある。僕は静かに穏やかに過ごしたい。平和で安全に過ごしたい。大人になったら、僕のように学校に行きにくい子に、「大丈夫だよ」と言える大人になりたい。行けなくても普通の中学生なんだよと言いたい。
(特別審査員 古市憲寿氏より)
「平和で安全に過ごしたい」。その言葉が目にとまりました。切実だけど、現実的な希望だと思ったからです。「大丈夫だよ」と言える大人になりたい、という結論にも共感しました。「大丈夫」って、肯定でも否定でもないんですよね。この作文の例でいえば、学校に行けという意味でも、行くなという意味でもない。だけど「大丈夫」の一言で、ひとはひとに寄り添うことができる。自分の経験をきちんと言語化した上で、さらに具体的に「こんな大人になりたい」という結論に結びつけている点が、この作文の力だと思います。