花束を貴方に

幼少期の頃、家の近くでとても美しい花畑を作っていた方がいました。穏やかな日射しの初夏の午後にその花畑を通った時、その花畑を作ったおじいさんがみずみずしい色鮮やかな花束を作って私に贈ってくれたことを今でも鮮明に覚えています。ありふれた名の知れた花ばかりなのに、当時の私にはとても美しく貴重な宝物に見えました。優しさは人を満たすのだとその時私は知りました。私は人にささやかな幸せを贈れるような人間になりたいです。