優秀賞
夢中になれるもの
接眼レンズの向こう側から君はじっと私を見ている。私もじっと見る。ミジンコとの睨めっこが始まった。私は微生物を見るのが好きだ。肉眼では見えない小さな世界があって、彼らはそこで生きている。彼らの世界にひきこまれた時、時間は私の気持ちに寄り添いゆっくりと進んでくれる。顕微鏡から目を離すと、時は慌ただしくいつもの時間に戻り、私も日常に戻る。時間を忘れるほど夢中になれるものがある大人になりたい。
(審査員より)
顕微鏡をのぞく、たったそれだけのことをここまで情緒豊かに表現できているのは素晴らしい。
顕微鏡をのぞいて、微生物の世界に入り込時の気持の推移が手に取るように伝わり、筆者のそれに対する興味好奇心の強さがよく伝わってくる作品です。
(受賞者コメント)
優秀賞に選んでいただき、ありがとうございます。とても嬉しいです。その時間がこれからもずっと続けばいいのにという気持ちで書きました。忙しさで、自分の好きな時間を忘れないように、これからも新しい挑戦をして、心が弾むことを探していきたいと思います。