縁の下の力持ち

走る走る走る。強くなりたい。生まれた時足にしびれがあり走る事はできないと言われた私が今は陸上部の長距離ランナーだ。支えてくれた母がいた。グッと踏ん張り一緒に汗を流す、優しくて、柔らかく、暖かく、よく眠れるように深く包み込み、時にはリズムよくトランポリンのように跳ね返す。私はそんな誰かの縁の下の力持ちになれる大人になりたい。細くて小さな体だけど、逞しくてしなやかな心の筋肉をつけたい。強くなりたい。