ビー玉の自分

父が30年以上勤めていた会社を辞めて、転職をした。父は「なりたい自分になれた。」と、僕に言う。父の部屋の机には、水色のビー玉がしまってある。ビー玉をのぞくと見える反射した自分。キラキラな大好きなものに囲まれた、輝いている自分。僕のキラキラは何？本を読むこと？絵を描くこと？硬い硬いビー玉から、そんなキラキラを出すことはできないかもしれない。でも、僕は大人になってもビー玉の自分を目指せるようになりたい。